世界市民にむけて

家庭主婦/日本 / 西森雅奈子

  日本に生まれ平凡に生活していた私が夫の転勤で海外・台湾に住むことになった。

  日本でそのまま生活していればあまり感じられなかったことが、台湾にきて見えてきた。

  少し進んだ国から来た私には、少々戸惑う部分もあった。

  その中でも今、一番感じていることについて書きたいと思う

  最近、視覚障害者の人が白い杖を持って歩いているのを見かけた。

  言葉ができれば、少しはお手伝いできただろうが、あいにく私は言葉ができず、見守ることしかできなかった。

  その何週間か前に、出かけた市場の近くの警察署から、何組かペアーで、白い杖を持ち、目隠しした人と付添役の人が出てきた。視覚障害者の体験をし、街が歩けるかを調査しているように思えた。多くの段差がある店舗の前を談笑しながら歩いている。その結果はどう出たかは分からないが、この台湾では絶対に視覚障害者や車椅子での生活の人の外出は無理だと言い切れる。多くの段差に加え、バイクが歩道の至る所に置かれている。

  大きな公園の周り位しか安心して歩けるところはない。

  視覚障害者の人や車いすの人だけではない。ベビーカーを押すお母さんや、お年寄りも同じように不自由している。

  日本では、大きな交差点の信号には音楽が流れるようになっていたり、信号の前には点字ブロックが貼られていたりする。まさか日本では、横断歩道の真ん前に駐車をしてお店に入る人などおそらくいない。(台湾では普通のように止まっている)

  行政が動いて、身障者や老人・子供が安心して歩ける街にする必要があると思う。

外国人がこのような生意気な発言をするのは喜ばれないかもしれないが、台湾が発展していく上でこれはとても大切な課題だと思うので、あえて発言することにした。

そして、このことは、みんなの人権を尊重する上で大切なことだと思う。

  大好きな国・台湾の印象が「バイクが多く、人が歩きにくい国」と位置づけされないようにしてもらいたいと思う。実際、日本の台湾を紹介した文には上記のようなことが書かれているのだ。誰もが安心して歩ける歩道の確保をお願いしたいものだ。