地球に優しい水力発電

林發, 日本大阪關西電力公司退休科員, Japen

  水の力を動力として利用する考えは、古くより続くものである。流れる水の力を水車によって抽出し、得た動力で製粉、紡績などを行っていたとされている。
水力発電も発電用水車を水の力で回転させることで発電を行うものである。この発電用  水車と発電機を組み合せたものが水車発電機と言いう。
  すなわち、水力発電は水が落下するときのエネルギーを電気に換えるものである。

  この水力発電は、落差さえあれば発電可能であるため、水道用水農業灌漑用水などを供給するときに、途中に水車発電機を設置すれば発電できるので、適応可能範囲が非常に広い発電方式である。

  世界で最初に水力発電が行われたのは、1888年のアメリカコロラド州のアスペン鉱山の自家用発電所である。
  1891年に日本琵琶湖疏水の落差を利用した蹴上水力発電所は、一般営業用としては世界最初の施設である。

  水は、自然界に存在する無限でしかも循環しているエネルギーです。水力発電は、この水の持つエネルギーを利用したクリーンな発電方式です。発電に伴って環境問題の原因の一つである二酸化炭素をいっさい排出しません。また、水を使って水車を回転させ発電をするため、水質への汚染等がなく、地球にもやさしいです、地球温暖化の防止に役立っています。
  但し、大きな発電所を作る場合にはダムの問題をはじめ、周辺地域の環境破壊が懸念されています。

  さて、地球温暖化は人為的な温室効果ガスが原因である。温室効果の主役は大気中に放出される二酸化炭素(CO2)であるが、メタン、フロンなど大気中の微量成分による温室効果も大きく、まとめて「温室効果ガス」とよばれる。

  化石燃料の大量使用などで地球大気の温室効果が進み、気温が上昇するが、水と同様な再生可能エネルギー、太陽光、風力、波力、潮位差、バイオマス、地熱は資源を枯渇させずに利用可能であるため、枯渇性エネルギー化石燃料(石炭、石油、天然ガス等)やウラン等が持つ有限性への対策、地球温暖化の緩和策として、有効性と必要性が指摘され、近年利用が活発化している。