災害に遭った前の準備、対応

Ker Ping ,Chang/BDK

発生する可能性がある災害や非常事態に備え、被害を最小限に抑えるためにはどのような準備をしたらよいか、地方自治体に問い合わせよう。アメリカでは、連邦緊急事態管理局から各州の災害リストを入手することができる。世界各地の災害情報に関しては、災害疫学研究センター( CRED )が提供する世界災害データベースを調べてみよう。さらに、地元自治体や教育機関の緊急対策に関する冊子を一部入手し、職場における避難計画をよく把握しておこう。

  • 加入している保険が、居住している地域で発生が見込まれる非常事態に対応しているかどうか確認する。
  • ペット用のキャリーバッグやエサを用意してあるかどうか確認する。
  • 保存食(および缶切り):一般に流通している缶詰に使用されているコーティング剤には、環境ホルモンとして人体への影響が懸念されるビスフェノール A ( BPA )が含まれている。缶詰の購入は避け、テトラパック社や SIG コンビブロック社が製造した、リサイクル可能な容器を使用した食品を選ぼう。エデンフーズ社が製造する缶詰入りの自然食品シリーズも、 BPA 不使用製品である。
  • ラジオ:手回しによる発電も可能な太陽光発電式ラジオを購入すれば、電池を大量に準備する必要はない。フリープレイ社が販売する「アイマックス」には LED フラッシュライトも装備されている。また、フリープレイ社製のラジオ「サミット」は短波と長波の両方を受信することができる。
  • フラッシュライト: LED フラッシュライトは電池の消費量が少なく、長時間の使用にも適している。「シェルパ LED フラッシュライト」のように手回し発電方式も販売されている。ナイト・サイズ社が発売している「マグリット・フラッシュライト」は、 LED フラッシュライトの性能を強化した製品である。ソラリス社の「太陽光発電式ランタン」には、ソーラー・パネルが備え付けられており、 1 回の充電で 4 〜 6 時間の使用が可能である。
  • 電池および充電器:非常時には電池の消費量が増加するが、充電式電池は太陽光を利用して充電することができるため、消費量を心配しなくてよい。サンダンス・ソーラー社では、あらゆる種類の充電式電池を販売している。 ICP ソーラー社の「バッテリー・セーバー SE 2 」は、シガーソケットを利用して、車のバッテリーをチャージすることができる。ブルントン社の「ソーラー・ポート 4.4 」は携帯電話機などの小型機器の充電が可能であり、さらに単三/単四電池を最高 10 本まで充電できる「バット・ジャック」も付属する。充電式および非充電式電池は、各地の廃棄物処理方法に従って処分する。
  • 調理器具:避難生活が長引いた場合、調理や水の煮沸が必要になることもある。スーダンのダルフール難民キャンプでは、あらゆる種類の携帯用太陽光発電式調理器具が利用されている。代表的な器具としては、折り畳み式のパネルクッカー「クックイット( CooKit )」や、頑丈で最高温度 148 ℃ で調理可能な「グローバル・サン・オーブン」などがある。教師用の防災非常用品には、ポットや低温消毒表示計( WAPI )、手引き書などが含まれる。日の光が差し込まない場所では、煙が少ない小型の「燃料節約型 XB 折り畳み式コンロ」が便利である。
  • 汚水:下水道が壊れている場合、または洪水によって下水があふれてしまった場合、汚物を適切に処理しなければならない。頑丈なゴミ袋 2 枚(または 19 リットル入りバケツ 1 つ)を敷き、底に猫用トイレの砂や暖炉の灰、おがくずを置くことで、自宅のトイレを緊急用トイレに改造できる。 1 日ごとにゴミ袋をしっかりと結び、ガレージや離れ家に置く。地方自治体が、緊急時の特別措置により、汚物の入ったゴミ袋を回収することもある。もしくは、災害の被害を受けていない下水道や汚水処理タンクに処理する方法もある。そのほかには、「環境に配慮した携帯用トイレ( PETT )」の利用が挙げられる。 PETT には、ゴミ袋、ゴミを分解する粉末と人目を避けるためのテントが付属する。この粉末を利用することで、汚物を一般ゴミとして廃棄することができる。